真水では洗わない。
関サバの旨味を守る
zakuroの「3%塩水」
三枚におろした関サバを、冷たい塩水でわずか10〜20秒。
お客様には見えない小さな仕事が、香りと脂の余韻を整えます。
その先の仕事を。
良い魚だからこそ、
洗い方まで選ぶ。
関サバは、豊かな脂と締まった身質を持つ、繊細な魚です。 「素材が良ければ、そのままでもおいしい」と思われるかもしれません。 けれど、良い素材であるほど、扱い方のわずかな違いが香りや食感に表れます。
zakuroでは、関サバを三枚におろしたあと、切り身を真水で直接洗いません。 水1リットルに対して塩30グラムを溶かした、海水に近い濃度の 「3%の塩水」を十分に冷やし、短時間だけやさしく洗います。
血合いや腹側に残った血、表面の汚れを落としながら、 関サバが持つ旨味や脂を必要以上に逃がさないためのひと手間です。
なぜ、真水ではなく
3%の塩水なのか。
海水に近い濃度の塩水を使うことで、真水よりも浸透圧の差を抑え、 魚の旨味や脂を必要以上に流出させずに洗いやすくなります。 難しい技術ではありませんが、魚の状態を守るための大切な判断です。
雑味だけを整える。
身を水っぽくしにくい
真水との大きな浸透圧差を避け、関サバの繊細な身質を崩しにくくします。
血や汚れを落とす
血合いや腹側をやさしく洗い、香りを邪魔する血や表面の汚れを取り除きます。
温度を上げない
塩水を氷で十分に冷やし、下処理をしている間も魚の低温を保ちます。
家庭でも覚えやすい、
1リットルと30グラム。
特別な調理器具は必要ありません。 水1リットルに塩30グラムという割合を覚えておけば、 関サバだけでなく、一般的なサバやアジなどの青魚にも応用できます。
塩を十分に溶かしたら、氷を加えてしっかり冷やします。 大切なのは塩分濃度だけではなく、 魚の温度を上げないこと、洗う時間を長くしないことです。
zakuroで行う、
7つの下処理。
関サバを三枚におろす
身を傷めないようにおろし、血合いや腹側の状態を確認します。
3%の塩水を作る
水1リットルに対して塩30グラムを溶かします。
氷を加えて十分に冷やす
下処理中に魚の温度が上がらないよう、塩水をしっかり氷冷します。
10〜20秒ほどやさしく洗う
切り身を冷たい塩水に入れ、強くこすらず短時間で洗います。
血や汚れを丁寧に落とす
血合いや腹側など、血が残りやすい部分を目で確認しながら整えます。
水分を徹底的に拭き取る
すぐに引き上げ、清潔なペーパーで表面と腹側の水分を丁寧に除きます。
低温を保ち、次の調理へ
魚の身質や脂の状態を見極めながら、低温で管理して仕上げへ進みます。
おいしさを守るために、
やらないこと。
常温の塩水を使わない
魚の温度上昇を避けるため、塩水は氷で十分に冷やします。
長時間浸けない
塩味が入り、身が締まりすぎるため、10〜20秒ほどの短時間が基本です。
身を強くこすらない
関サバの繊細な身質を傷めないよう、表面をやさしく洗います。
洗った水分を残さない
残った水分は香りや食感を損なう原因になるため、丁寧に拭き取ります。
この工程は魚をおいしく仕上げるための下処理です。 生食する場合は、鮮度と低温管理、早めの内臓除去、目視確認などを別途徹底し、 生食用として適切に管理された魚を使用してください。
良い素材を仕入れる。
それだけでは、
料理は完成しない。
zakuroでは、関サバという上質な素材を仕入れたことだけを 「料理へのこだわり」とは考えていません。
洗う水の濃度、魚に触れる時間、水分の拭き取り方、調理までの温度。 その一つひとつは、お客様の目に触れない小さな仕事です。 けれど、その小さな違いが、口に入れた瞬間の香りや、 脂の感じ方、身の食感を変えます。
素材の魅力を足し算で飾るのではなく、 本来のおいしさを損なわずにお客様の前へ届ける。 それが、zakuroが下処理を大切にする理由です。
ご希望を伺い、
仕入れられた日に。
関サバは常時ご用意している食材ではありません。 ご宿泊前にご要望を伺い、その時期の入荷状況や魚の状態を確認したうえで、 仕入れができた場合にご提供しています。
せっかく名前のある魚を使うのであれば、仕入れること自体を目的にせず、 納得できる状態のものを、適切な下処理でお出ししたいと考えています。
ご希望の際は、ご予約後お早めにご相談ください。
一皿だけではなく、
夕食の流れすべてを整える。
関サバをお楽しみいただいたあとは、 zakuroの夕食の中心であるA5豊後牛シャトーブリアンへ。 記念日の夜には、お料理に合わせてシャンパンをご注文いただくお客様もいらっしゃいます。
魚の血合いを洗う10秒も、肉を焼く火入れの一瞬も、 シャンパンをお出しするタイミングも。 一つひとつを切り離さず、その夜の食事として組み立てています。